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ごぶさたです!
8月27日に、無事クランクアップを迎えました! 正確に言えば、28日、午前1時。。。 撮影最終日がてっぺん越え。 この事実が示すように、実に大変な11日間でした。 そして実に充実した、素敵な、夢のような11日間でした。 クランクアップを埼玉でむかえ、そしてそのまま後片付けのため伊参にとんぼ返りしたりと、撮影を終えても何かとバタバタしていたのですが、でも撮影後なかなかブログが書けなかったのは、そんなバタバタのせいではなく、なにか、『さみしかった』からです。 すいません、女々しくて。 でも、さみしかったです。空洞です。胸の真ん中。 もっと撮影を続けたかった、とかではないです。 だって、ほんとに撮影は苦しかったから。撮影は早く終えたかった。 ただ、もっとみんなと居たかった。 スタッフとキャストと。 金井組と。 伊参に。 雨でも・・・いいから だから撮影を続けたかった…のかぃ? 本当に素敵な人たちが集まりました。 寄せ集め?だったのか。 何を基準に、選んでいったのだろう? 何がどうしてどうなって、こんなに素敵な人たちが集まったんだろう? みんな、何に集まったのか。 僕は、何に感謝しよう? 整理できない感情。 整理できない行動。ひとりでひたすら酒を飲む。 寂しい、そしてうれしい。 感謝したい。 映画でも描けない、脚本でも描けない、今の感情。 青春があった、あのころに似ている。 男子校で、高3で、文化祭があって大雨で、雨で中止になるはずの後夜祭を、体育教官を説得して無理やり学校の中庭でやって、前代未聞で、雨の中、一般客、女子高生、見知らぬだれもがビショビショになりながら入り乱れて、みんなで肩を組んで、男子校の校歌をなりふり構わずみんなで大合唱して、泣いて、人類一つになれるって思って希望を抱いて、その数日後に9.11テロがあって、ひどく混乱して、目の前には受験だけが残っていて・・・ 青と黒。 真っ青に突き抜けて、お先真っ暗で。 でもだからこそ生きている実感なのか。 あの感覚を呼び起こす、でも、あのころとは違うけど、またあの感情を揺り動かすかのような、濃密な11日間の撮影。 だからこその空白。 いま。 センチメンタル。 というか、センチメンタルを越えて、ミリメンタル。 総雨量100万ミリメンタル。 そうそう、何を隠そう、一番の衝撃として、撮影11日間、毎日雨が降りました。 11日連続雨。 この雨が、撮影スケジュールに計り知れないダメージを与え、僕らを壊し続けた結果、あげくに忘れえぬ愛しき11日間に昇華したのです。 すいません、今日のブログは長くなりそう。 ここまでを前編にしようかな。 時間がない人は、また後編をゆっくりと読んでいただいて。。。 ということで後編。 一気に書けるとこまで。 こうなったら伊参ブログ史上最長にしてやろうかと、無駄に、へんな気合を。 撮影日を10日、予備日を1日、計最長11日間に設定。 総スケ確定。 撮りきれるだろう、経験豊富な演出部、助監督の岡下さん、海沼くんにまかせた! 間違いない、多少きついが撮り切れる。 雨のシーンも。撮れる。 たとえ一日も雨が降らなくても。雨降らしも、対応済み。 間違いない、いける! 雨が、雨が、雨が・・・ 明日には止む、明日には、明日には。。。 11日連続、降りました えぇえええええええええええ!!!!!!!! 異常気象。 もう笑うしかない、が、笑えない。 毎日の日々スケ(日々スケジュール)を、毎日書き直す。 設定した総スケは、もろくも初日から崩壊。 でもそれも予想済み、2日目から柔軟に対応できるのです、が、3日目、4日目、5日目・・・雨が、止まない。そして最終日。 すごかったなぁ。毎日が戦場でした。 この作品には雨のシーンもあり、雨は完全に拒否できず、むしろ僕としては雨のシーンをリアル雨で撮りたかったので歓迎できる面でもあるのですが、さすがに11日連続は・・・ やりすぎです。 撮影前も清村さんと、10日あれば一日くらい、雨降るだろう、と話していたのですが、全部雨でした。 それでも降ったり止んだり、の日もあったので、その合間をぬって、狙って、そう、予想していたのかいないのか、針の穴に糸を通して縫っていくように、ありえない天空の隙間を繕って撮っていった映画です。 僕はそんな異常気象を、実はなんとなく予想していました。消去法的に。 それは、撮影に入り、カメラが回り、金井組が動き出して、伊参に初めて泊まり、みんなで夜を迎えてからのこと。 すごい、いいスタッフが集まっている。 この事実。 そして、 すごい、いいキャストが集まっている。 俳優が、出演者、ではなくて、『俳優部』だったこと。 だから、撮影合宿を通して、俳優部を含めた金井組が、一段と、一段と、まとまっていったこと。 そもそも、最初からみんないい人たちだったこと。 『いい人すぎるよ』 劇中にも出てくるセリフなんですが、これが当てはまるほど、すごいバランスで絶妙に組まれた金井組でした。 それは合宿を通して、みんなで飯を、風呂を、夜を共にすることで、本当に離れがたい、一心同体さを増していきました。 つまりは、僕は正負の法則、というか、人間プラスマイナスゼロだ、と思っていて、だから、こんなにも人間に恵まれたのだから、どこかにマイナスが生まれるはずと予想して、マイナスといえば・・・ ということで、天候に恵まれず。 11日連続雨の対価が、伊参に集まった人材だと言えるほどの、絶妙なバランス。 絶妙でも何でもありませんが。 合宿が明るく、本当に楽しく充実して進んでいく一方で、ちゃんと雨も降り続けたのでした。 書きたいことがいっぱいあります。 あんまりまとまりませんが。 とにかく、とてもいい現場になりました。 斉藤さん初め、みんなが言っていました。 こんなにいい現場は、ない、本当になかなかない、と。 途中、朝加さんが合宿に合流。同時に篠原監督、合流。 篠原監督、わざわざお越しくださいました。僕が来て下さいメールを送ったら、来て下さいました。 エンブのときもそうだったんですが、篠原監督は、なぜか僕がピンチのときに、すばらしいタイミングで来て下さいます。今回も、僕が少々現場でどうしようかと、今回の撮影中ではおそらく一番混乱していたときに、篠原監督が来てくださり、アドバイスを。僕もそれを聞きながら安心して撮影にのぞめました。 そしてその夜は、キャストスタッフ、みんなが勢ぞろいして、伊参スタジオで宴を。 確かもう雨が降り続けて4日目くらいでしょうか。 総スケは崩壊していたけど、でも残りのうち何日かは晴れるだろうと、演出部もその後の悲劇を予想もできず、わいわいやっていました。 朝加さんも、大いに飲んでもり上がり、そして篠原監督が映画祭スタッフの方にも声をかけていただいたことで、この映画にかかわっている30人近い人々が一同に集まって、そして、乾杯して。 僕はその乾杯の音頭をとったかとらないか、酔っていたのですが、ただただそこに集まった大勢のみなさんの姿を、人事じゃないんだけど、不思議というか、映画っていいな、人間っていいな、と、感謝していました。感謝って、対象がいて成立するものなのでしょうか。僕はそのとき、ただ、感謝していました。何に、といわず。 強いて言えば、出会いに。 出会いに感謝。そこには実体のない、出会い。 出会いに感謝。素敵な言葉だと、今思いました。感謝とは、実体のないところにすることで、ある種の神聖さが生まれるような気がします。 もちろん、実態あるべきところにもしなければ。 朝加さんは、本当に素敵な方でした。 俳優として以上に、人間として朝加さんと出会えて、本当に良かったです。 俳優との共同作業とはこういうものだと、僕の演出の幅を一気に広げてくださるようなその演技プランに、僕は本当にうれしくなってしまって、あるいは少し朝加さんに甘えてしまった部分もあるかと思いますが、非常によい経験になりました。 そして夜通し飲んでしまいそうなほど盛り上がった夜。 忘れられない。 朝加さんのオールアップの日、 『こんなに楽しい現場に参加させていただいて』 と、言っていただけました。 良かった。本当に。 その日は、少し、晴れてました。 そんな中盤、上毛新聞の方が取材にいらして、パシャリと撮影風景を撮影しつつ、翌日の新聞に僕のインタビューつきで載せていただきました。 その写真、僕は写っていませんでした。 そして僕の支離滅裂なコメントも、ほとんど改ざんされていました。 その瞬間、思いました。 これはいい映画になる、と。 なんとなく、そう、思いました。嘘じゃなくて。そういうもんだ、いいもの、とは。 そしてその日だったかと思いますが、金井組の製作部が、UFOを目撃しました。 3人で目撃しました、らしいです。 もう、めちゃくちゃです。 雨止まないし、UFO見るし。 ほんとに見たらしいです。3人は。 夜はその話題で持ちきり。 撮影中盤、疲れもピークに達していた製作部が、夜な夜な黒板に描いたUFOと宇宙人。 めちゃくちゃです。 写真撮り忘れちゃったけど。 なんなんだ 撮影終盤、晴れだった天気予報が、一転して雨に。 崩壊寸前。 笑えない。 ほんとに笑えない。 凍りつく、僕と、岡下さん。 雨バージョンと晴れバージョン、2種類の日々スケ。 なんだこれは。 もはや撮影中日課になった、携帯での天気チェック。 岡下さんの携帯では、アメダスが見れるように。 撮影中も、アメダスを見ながらのリアルタイムでの格闘。 もうすぐ止みますー! みたいな。 撮影日全てに雨マークが並んだ瞬間、そのころもはや僕は飯も食えてなかったのですが、いよいよ、今までの人生でのどん底かと。 その一方で、明るい、楽しい現場。 雨を、なんとか、できないだろうか。 のこり2日。 降水確率、70%。 降ったら・・・撮りきれない。 そこまで追い詰められた金井組。 そして、天空に、祈りを。 呪いを。 UFOに。 僕はひとり夜中に飛び出して、お酒を巻いて、夜空に手を向けた。 翌日、降ったけど、降らなかった。 カメラを回したら。 戦っていた、天空と。僕らの願いが。 降水確率を、吹き飛ばした。 降ったり止んだり。だけど。 泣きそうになった。 撮れた。 通じた。 天気って、やっぱり観念だ。 誤解であってもいい。 25歳の僕には、誤解であってもいいけど。 天気って、自然って、観念だった。 調節じゃない、共存できる。 本番!って、空に向かって叫ぶんだ。 裸足で現場をうろつきながら、僕は思った。 自然と共存したいから、もはや僕は裸足になっていた。 そして拝んでいた。 今なら縄文土器だって作れそうだった。 あの、ただひたすら自然にたどり着こうとして、人間が触手を伸ばしていったあのフォルム。 本当にあの時代の、あのアートに、たどり着ける気がした。 そんなこんなで、最終日夕方には斉藤さんと瑠川さんがオールアップ。 瑠川さんとは、ワークショップからの半年以上の付き合い、そして斉藤さんとは、撮影直前まで連日終電間際、いや、終電を越えて夜通し飲んで話し合って支えていただいた。 みんなで話し合った。 飲みながらも、撮影中も。 伊参スタジオでの夜も。 朝が早いというのに、なんとなく話したくて、後にしたくないスタジオ。 本当に話した。 本について、作品について。 それ以外のくだらないことについて。 幸せだった。 俳優部は、僕以外の他のスタッフみんなとも仲良くなってくれた。 夜にスタジオで、飲みながら話して、裸足でスリッパで語り合った。 わけのわからない雨の中。 ネタに尽きない現場だった。 助監督の岡くんが、信じられないミラクルを連発した。 最終日前日には、花火を打ち上げた。 そのときは雨は降らなかった。 こんないい現場はない、雨で矛盾してるけど、こんないい現場はない。 みんなで見上げた花火。 その向こうの伊参スタジオ。 無邪気に校庭を走り回った、手持ち花火を片手に。 いくつなんだ。 いくつになっても。 その分、苦労しているんだから。 いろいろこみ上げて、斉藤さん瑠川さんオールアップのときは泣きそうだった。 でも、その夜、埼玉で撮影。 ご迷惑おかけしました@AM1:00 テンパる僕をよそに、深澤さんが堂々たる演技を見せてくれた。 深澤さんが撮影を通じて、一番変わった。 早苗になっていった。 俳優の力であって俳優部の力。 俳優部が、俳優部で作り上げていった、それぞれの人物。 そしてそこにレールを敷く自分の演出。 なんとなく、そういう共同作業だった。 これが正解かどうかは別に、共同作業でやってこれた。 ひとりじゃなかった。 この、大変な脚本。 シュート時から、僕は本当に、難しい本書いちゃったなと、もはやひとりじゃお手上げで、でもそこに見事に乗っかってくれた俳優部、撮影部、録音部、演出部、メイク、制作部、つまりはみんな。 雨だったけど、撮れました。 いいものが撮れました。 雨過ぎて、実は半ばあきらめられている金井組だけど、じつは怨念と技術でもってカバーして、素敵な画がたくさん撮れてます。 見返しながら、この作品はもはや自主なのかなんなのかわからんですが、それでもあのやりたいことやってますという、空気、充実、これこそ自主の醍醐味。 反省点は今度に回します。 正直、文章書きすぎて、もう、見返す気力もありません。 いい足りないことも多数。 でも、それは消去法で明日か明後日書く。 とにかく、尻切れトンボですが、ほんと、 みなさんに、感謝しています。 人生に、ここにいることに、出会えたことに。 映画があったことに。 ちょっと、また今度! 明日から編集す。 #
by jkanai
| 2008-09-01 23:49
クランクイン!
明日16日から10日間、群馬県中之条で撮影します。 振り返れば早いもので・・・みたいな後ろを見る暇もなく、ただ前を見て、そして横を見て、線になって組になって、走っている。 気づけば、金井組はスタッフも18人以上。 このブログではほとんど弱音を吐いていませんでしたが、実はスタッフ集め、機材集め、お金集めにものすごく苦労してました。 緊急事態も何度もあったし、今だってナントカ事態になりそうかもしれないし。 それでもここまで漕ぎ着けられたのは、奔走していた仲間のおかげであり、流し続けた冷や汗の、身の縮まる思いの、締め付けられた腸の、胃の、そんなバカ正直な身体が求め続けた『映画』という魔物への愛。もはや、常識とかじゃなくて、こんな状況、よくわかんない。 だって、映画を作りたいんだ。 映画を作りたいみんながいて、僕がいた。 監督、脚本が僕になってる。 別に僕のためじゃない。 『ありがとう』 僕のためじゃない。 スラムダンクのゴリの気持ちだ。 緊張しているのか、見事に睡眠が浅くなってしまったここ数日ですが、夕飯は味噌ラーメン大盛りだった。ぺろりと食べきった。漫画『カイジ』を読みながら。 たぶん、なんとかなるだろう。 なんとかならない、でも、生きてればなんとかなるから。 僕はそこだけ糧にして、生きてる。 たかが一つの映画、されど一つの人生。 難しく考えず、ひょうひょうと撮ってきます。 ちなみに先日、お盆に中之条で飾りこみをしていたのですが、ホタルを見ました。 スタジオ近くです。 すごいなぁ。 そして製作部高橋さんの作る飯は、最高にうまいです。元シェフ。 金井組の皆さん、飯だけは期待しててください。 とりあえず、飯だけは。 すでに思い出いっぱい。 お腹もいっぱいになる。 ひとまず、これで生きていける。 応援してくださる皆さん、すでに募金などで協力してくださってる皆さん、撮影の無事を、とにかく無事故で終えられることを、祈っていただければ幸いです。 あわよくばスタジオに差し入れも・・・ いってきます。 #
by jkanai
| 2008-08-15 23:53
お久しぶりです。
奔走してました。 奔走してます。 本当。 ロケハンから戻り、もって帰ってきた課題やら問題を、一つずつ手分けしてみんなで・・・走り回る。ロケハン前から決まっていました、ここからは、奔走するぞ、と。 奔走すると、汗が出ます。 なんせ、時間があれば歩いてできる物事を、走り回ってバトンタッチリレー。 次、次、つぎ! 決してのんびりしてたわけでもないと思うのですが、映画はやはり、スパート、してからが長い! 奔走のさなか、ついに先日、メインキャストの衣装合わせ、顔合わせ、読み合わせ!を、一気に一日で行いました。 奔走です、本当です。 4人が揃いました@新宿村スタジオ またオールスタッフとはいきませんでしたが、メインスタッフ数人も集いました。 優秀なスタッフのおかげで、衣装合わせは順調に進んでいきました。 そして読み合わせ。 その前にキャスト4人、そしてマネージャー、スタッフを前に、監督から一言。 ということでもちろん予定通り、 予定通り、 予定通り、、、 フリーズ・・・ ・・・ 緊張のあまり、メインキャスト、スタッフを前にして、トンデシマイマシタ。 真っ白に。 脚本の意図やら、それぞれの登場人物やらを説明しようとしていたのですが、そしてそれを前の晩メモにまとめていたのですが、メモにまとめたところでどうする、というかこの脚本、メモでまとめられる内容じゃない、口頭で、熱く語ろう、映画の夢を。。。 と、熱帯夜を無理やり冷房で冷やした箱の中でひとりムニャムニャして、明日は早い、寝よう、寝た、そして寝て起きて、起きて現地に着いたら急に緊張しだして、昼飯もコーン5粒くらいしか食べられなくて、そして本読みを迎えて・・・ なんというか、どっちにしろ正直に言えば、この作品の全体像というものは、作品を見た後の『印象』こそが全体像であって、よくある商業映画のように頭からケツまで筋が通って誰が見ても納得がいくような説明しやすいものではない、ということはもはや決定的に僕の中にあった。説明しづらい、けれど、見てもらったら残るはず。そもそもこの作品、プロット立てていないところが逆に目立って、選ばれたのだから。主人公がひとりいてその人が物語を動かして苦難を乗り越えていく、ある女性の壮絶な人生を描いたもの!なんて映画だったら簡単に説明できる、けど、この作品は違う。 かといって、分かりにくい映画では全然なく、すごい直接的で直球勝負。 いろいろ直球。 つまり僕は、この映画は言葉では説明できない、ということを、言葉で説明しないといけなかった。 言葉では説明できないものこそ映像で見せるべきだと思って書きました、と説明しなきゃいけなかった。 人間の追い込まれたところの、わけのわからない、でも見ていて心がしびれてしまうシーンを、一瞬でも撮りたい、と説明しなきゃならなかった。 小田和正の、『ことばにできない』を歌えばよかった・・・ いや、何を言っているんだ。 『ことばにできない』は、言葉にできてるじゃないか! まぁそういう意味で、言葉にしなきゃいけなくて、最後は映画にするのだけど、その前段階、ちゃんと言葉にできず、これも小田和正の曲にあったかと思いますが、『まっ白』になってしまったことを大いに悔やみ、少々引きずったまま本読みに入ってしまった。 岡下さんのフォローによって、本読みは順調に進んでいき、また僕も本読みによってようやく言いたかったことのかけらを口にしていくこともできたので、そしてそんな本読みも無事に終わるころ、場の空気はいつのまにやら良くなっていたので、ホッと一息、のち、ドッとため息。 ともあれ、ともあれなのですが、さすがに揃いました、役者4人。 なんとも難しい本なのですが、この4人の皆様の力をお借りしつつ、というか借りるというより俳優部と演出部で、たどり着く、ほどの内容だと、本読みしながら腸の下辺りがキュッとひきしまる。腹をくくる。くくっていましたが、2回目、硬結び。 安堵と不安と達成と後悔と。 そして全くやむことのなかった大雨と雷と。 新宿だぞ、新宿に、中之条の気候がやってきちゃった。 まったくもって非現実な一日でしたが、ちゃんとつかんできました。 それにしても。 久しぶりに真っ白になりました。 面接でも、面談でも、今までの数多くの10代、20代しゃべり場において、またプレゼンにおいて、ここまでとんでしまうことはなかったです。 ヤバイ!と思った僕を支えていたのは、間違いない、僕はひとりじゃなかったということ。 スタッフみんながいて、そして出演していただけるキャストの皆さんがいて、つまりは、僕を囲んでいる皆さんに支えられ、そして皆さんを前にするプレッシャー。 みんながいて得られる安心感、みんなを前にするプレッシャー。 同じ人へ放射する、対照的な二つの感情。 二度おいしい。 そんな余裕も全くなかったですが、不思議な空白ではありました。 もちろん、後悔してますけど。 もう、あんなかっこ悪い姿は、見せないようにしないと。 本読みの際の演出的なことは、表面的ですがなんとなく言えたので、現場はスゴイ大変だと思いますが、逆に楽しみになるような、というか、早く現場でやりたいと思えたのは、もちろん後悔をひきずったままの本読みを早く終えたかった気持ちもありますが、なんとか、やっていけそうな自信も得られました。 ということで、奔走、ときどき迷走、のち瞑想、そして奔走、なここ数日です。 #
by jkanai
| 2008-08-08 01:14
月曜日、ロケハンから帰ってきました。
総勢6人でのロケハン、ほぼメインロケハンだったのです。 映画祭スタッフ皆様のご協力のもと、2日間で一気にロケ地を回る回る。 そして撮影に向け、あいまいだった箇所をうめていく。 ものすごい濃厚なロケハンになったので、メインロケハンってこんなんだっけ?と、帰り際、車の中から見える夜の明かりが走馬灯のように流れていくような・・・走馬灯じゃいけない。撮影は近いのです。 ところで中之条、そして伊参スタジオは、涼しかった。 というか、夜、寒かった。 周期的におとずれる雷雨にただ見入ってしまい、そのスコール後のなんともいえない、ひんやりと澄み切った青い空気感。雨、ときどき青。 撮影の邪魔だけはしてほしくないのですが、あの空気は大好きです。 撮影に向け、今回のロケハンでは具体的に美術やら照明やらをつめたのですが、もう、実はギリギリのスタッフ編成で行っているので、ひとりひとりの仕事量が半端ない。 みんなに楽してもらいたいが、ごめん、がんばってくれ、がんばろう、としか言えない、というか思えない僕。言ったところでどうなる、みんな、がんばっているんだ。 さまざまな制約の中で映画は作られると思いますが、特に自主映画、○○テレビ、など冠がつかないだけで、ものすごい苦労を強いられる。仕方ない、テレビ局、信頼できるから、ね・・・? などと毒づいている場合じゃなく、自主映画の良いところはその制約と表裏一体の『自由』、『奔放』だ。 ロケハンの結果、今回の撮影スケジュールは信じられないほどタイト、というかスキニー。 やりきるしかない、もう、撮りきるしかない、スキニーパンツ、無理して履くしかない。 どうなることやらですが、それにしても会話の絶えない、明るい空気に包まれている金井組。 スタジオに宿泊した夜、助監督の岡下さんの、某カメラマンの撮影秘話に、みんな大爆笑。 僕も実は前の晩から寝てないままロケハンに向かうことになってしまったのですが、その眠気もどこへやら、てっぺん越えて限界を超えて、ひくひくしてました。 僕のこの作品に対する意見交換も、ちゃんと。 僕は例のごとくビールを飲んでしまっていましたが、この作品にこめる思いやら狙いやら、自分でも話してて驚くくらい、熱く、そして、狙うべきところのラインが非常に難しい、できるのか、想いとは裏腹の、作品が求めるところのレベルの高さ。 ひとことでいえば、 『それって難しいよね(にっこり)』 ということです。 表現者であれば、やりがいがあるはず。 だからこの作品について話していても、それはできたらスゴイけど難しいぞ、というところのオンパレードなのですが、まぁ、やってみよう、と。 なんでそんなに難しいことにしちゃったの、とよく言われますが、難しいから、です。 チャレンジ精神。 ちっさくまとまってどうする、25歳。 失敗しろ、学べ! 怪我はするな! これだ。 怪我には気をつけます。 みんなの、映画の怪我には本当に気をつけます。 ロケハンから帰ってきて、昨日は赤坂見附のとある場所でカメラチェック。 今回のカメラはテープに録画ではなく、P2カードという、メモリカードに録画されます。 パソコンに取り込むのは、データの転送、ということになります。 メモリカードなので、巻き戻して見る、という概念ではなく、ピっと、検索するような。 便利だ。 パソコンに取り込むテストをしたのですが、カメラマンの清村さんとともに、『これ、どうやるんだよー』と、ひたすら慣れないマックと悪戦苦闘。何度も同じ失敗を繰り返し爆笑。 僕もマックをもっていながら実はウィンドウズでほとんど作業しているもので。 そこのスタッフのみなさんに助けていただきながら(営業時間をオーバー)、なんとか、学ぶ。 まぁ、大丈夫だろう。 データの転送だけは確実に。 失敗したら大怪我どころじゃない。 とにかく、撮影に向け、あわただしい日々を送っています。 衣装合わせも近いです。 オールスタッフも近いです。 今は、汗をかくのだ。寒くても。 #
by jkanai
| 2008-07-30 04:35
ひたすらあついです。
夏バテにはなってないと思いますが。 今日はバイトで『パコと魔法の絵本』という映画を見ました。 9月公開予定なのですが、一足お先に。 オススメです。 この映画をどんな映画かと聞かれたら、オススメの映画、というのが一番適していると思います。 子供向けそうなチラシやら予告なのですが、大人が見て楽しむものだと思います。 そして大人が見たら、ポニョの二倍は面白いんじゃないかと。 中島哲也監督。 徹底した画作り、美術、CG、演出。 役者が応える。 特に、役所広司さん。 ホントに世界レベルの役者さんだなと。存在が違う。 他のキャストも、見たことないような表情、聞いたことないような声などで存在をアピール、これはやはり監督の演出力だなと。 撮影も迫り、いろいろあって、そして猛暑で、頭の中はぐるぐる。 ただ演出プランというか、作品像はかなり固まっています。 それは決定稿があがったときからのこと。 脚本で苦しんだ分、今は脚本どおり(書いたとおり)、進めていければ良い作品になるんじゃないかと思っています。 脚本どおり、が、一番難しいのですが。。。 僕は全然、臨機応変、というか、ひょっとしたら周りが心配するほど柔軟かもしれませんが、そんなことはなくて、単にアンテナを張り続けてるだけだと思います。拾いこぼしてたまるものかと。 というより今は、現場をどのように回していくべきか、そこが問題です。 監督だけじゃなく、金井組として。 もちろんスタッフの協力なしには実現しないわけで。 なるべく撮影しやすい、どの部にとっても動きやすい現場にすることが一番ですが、それが作品にとって一番なのかは、また別問題だったりします。 僕が尊敬する、とあるデンマーク監督は、わざと現場の空気を悪くして緊張感を極限まで高め、カメラを回したりしてます。 はてさて。 理想を言えばきりがないですが、今は、『実現』すること。これだ。 俳優部が体現したものを駆使して、監督が実現する。 監督が実現したいものを、俳優部が体現する。 ぐるぐる。 とりあえず、あつい・・・ 明後日、ロケハンです。 詰め、詰め、つめ とりあえず今日は、睡眠不足、頭回転、PC熱くてファン回転、うるさいぞ・・・な感じで、ぐったりす。 #
by jkanai
| 2008-07-26 01:53
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